陸上短距離で高校生女王となった御家瀬緑。大学ではなく実業団を選んだ理由 (6ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by MATSUO.K/AFLO SPORT

 東京五輪に関しては「チャンスがなくもないかな」という程度で、「間に合わないかもしれない」という気持ちのほうがむしろ強かった。だが、五輪が当初の2020年から2021年へと1年延期されたことで準備期間も増え、「目指せる!」という意欲が湧いてきたと話す。

 それでも御家瀬がメインとして考えているのは、2024年パリ五輪だ。そのためにも11秒2台を早く記録して、世界の舞台へ遠征したいという。

 さらには、こんな思いも胸に秘めている。

「ユース世代からもどんどん速い選手が出てきていますが、福島さんが作ってくれたいい波を再び自分が作り出して、それをしっかりと引っ張っていけるようになりたい。実業団で結果を出し、若い世代の選手たちの進路も選択肢が増えるようになればいいなと思います」

 今は、世界中の多くのアスリートが新型コロナウイルスの影響で、活動自粛を余儀なくされている。そんな困難も、御家瀬緑には高い目標の達成に向けてじっくりと底力を蓄えていく、有用な時間として反転活用をできそうだ。

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