池田向希が競歩代表に内定。強さの秘訣は同郷同学年の「同志」の存在 (2ページ目)
だが、池田は鈴木の仕掛けに動じなかった。
「2月の日本選手権では焦りが出てしまい、そこから動きが固まってしまった。だから、今回は落ち着いてリラックスしていこう、とコーチと話していました。自分からレースを作るよりも、先輩がたの力を借りて余裕を持っていくつもりで臨んでいたので、ペースが上がったときも瞬時に対応することができました」
4分03秒までペースが落ちていた15kmから、池田は自ら積極的に引っ張って3分52秒に上げ、そのペースを維持して高橋とともに抜け出した。そして、17kmでは完全にマッチレースの形になった。
「ラスト4kmからは(高橋)英輝さんと横並びになって徐々に後ろとの差が開いたので、ふたりでその差を広げていこうと思っていました。英輝さんはラストスパートが強いので威圧感がありましたが、どう対応するか準備もしながら少しずつペースアップするイメージでレースを進め、最後は離すことができました」
池田は、一度遅れた高橋に19km手前で追いつかれたものの、ペースを維持し、最後は7秒差をつけて1時間18分22秒で優勝を果たした。
「途中で逃げて差を広げることができなかったのは、まだ力不足。でも、最後まで英輝さんの動きにしっかり対応しつつ、少しずつペースアップできたのはこれまでやってきた成果が出たからだと思います」
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