男子100m、準決勝で3人敗退も強気発言が出るほど収穫はあった (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 100m元日本記録保持者の伊東浩司氏も、「中盤から後半にかけての走りは決勝に進出した選手と比べても遜色はなかった」と評価するように、大きな大会でも決勝進出がほぼ当たり前に近いレベルになってきたという手ごたえを得られたことが大きい。

 第2組の小池祐貴(住友電工)もスタートを失敗してしまった。

「精神的にはかなりいい状態で、予選を一本走ったことで体もしっかり動いていたので、(準決勝でも)いいパフォーマンスは出せると思っていました。でもスタート時は、隣の選手が立てた小さな音を気にしてしまい、自分の腕がプルッと動いてしまって、それでフォールスタート(フライング)を取られるかなと考えて思い切り出られなかったんです」

 その影響で最後までレースを組み立てられず、10秒28の7位という結果に終わった。

 第3組で登場した桐生祥秀(日本生命)は、予選と同じくいいスタートで飛び出した。

 前日の予選では「9月1日のドイツの試合(ワールドチャレンジ競技会)のあとから、スターティングブロックの位置を変えたので、その感じを初めて試せたのはよかったです」と、0秒121のリアクションタイムで飛び出していた。

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