「マラソンに向いていないのかなぁ」神野大地が苦しい胸の内を吐露 (3ページ目)
―― 東京五輪が目標なのは変わらない。
「変わらないです。でも、僕の絶頂を迎えるのは、もう少し先なのかなという思いはあります。佐藤悠基さんは今年の東京マラソンでサブテン(2時間10分未満)を出すのに6年要しましたし、今井正人さんも2時間7分台を出すのに7年かかっています。でも、(服部)勇馬は3年弱で結果を出した。そこで自分はどんなタイプだったのかを考えると、1、2年でポンと結果が出るようなタイプじゃないのかなと。
でも、人って早く結果を出したいじゃないですか。そのため、今はちょっと目標達成に焦り過ぎているのかもしれません。だから、結果が出ないとダメだと思ってしまう。何年もかけて成功している選手もいるので、僕も長くかかっても最終的に大きな結果を出したいですね」
―― 現状は思うようにいっていない。
「うーん、今まで高校、大学と陸上を続けてきて、練習を頑張ってやって結果が出なかったことがなかったんです。努力して練習していると結果が出るところに陸上の楽しさを感じてきたんですけど、マラソンだけは努力して、練習しても結果に結びつかない。今後どうやって頑張っていけばいいのだろう。そういう壁にぶつかっています」
神野の言動には、真面目でブレない強さがある。設楽悠太のようないい意味での「いい加減さ」みたいなゆるさが感じられない。対照的な二人を考えると、ふとある言葉が浮かんだ。
―― 神野選手は完璧主義者?
「ですね。日常生活からそうなんです。ちょっとの乱れも気になる。練習もレースまでのメニューが組まれたら計画通りにやらないとダメなんです。ひとつ練習ができないと、その1つを悔やんでしまう。あの練習できなかったけど、大丈夫かなって、ずっと引きずってしまうんです。練習できなかったけど、次できればいいかとは思えないんですよ。だから、自分自身で成功体験をつくって、やっていくしかないんです」
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