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「1年前の自分とは違うんで」
神野大地、福岡国際でMGC獲得に自信 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

 神野はこの上尾ハーフの前、宮崎で1週間の合宿をこなしてきた。そこで約220キロを走り、さらに3回、40キロ走などのポイント練習を入れた。「ここでこのくらいやらないと福岡で結果を得られない」と、自分を追い込んだのだ。ハードな練習にともない、食事、とりわけ白米をしっかり摂るようにしてきたという。

―― どのくらいの量の白米を摂っているのですか。

「朝と昼は毎日250グラム、夜は350グラム、今は400グラム食べています。それだけ食べても体重を維持するので精いっぱいですね。ベストの体重が46.8から47キロなんですが、太りにくいというか、筋肉がつきにくい体質なので食べないとすぐに落ちてしまう。意識的に決めた量を必ず食べるようにしています。ただ、タンパク質を摂る量は制限しています。血液検査で尿素窒素という項目があるんですが、1年前はその数値が高かったんです。それだと疲労が抜けにくい状態になってしまうので」

 尿素窒素とは、血液のなかの尿素に含まれる窒素成分のことで、たんぱく質が利用された後にできる残りかすだ。腎臓でろ過されて尿中へ排出されるが、腎臓の働きが低下すると、ろ過しきれない分が血液のなかに残る。尿素窒素の数値が高いと腎臓の機能が低下し、疲労が抜けにくくなるのだ。そのために神野はタンパク質を摂る量を制限し、この半年間は正常な数値を維持するようになった。

「タンパク質は制限していますが、糖質は摂っています。たくさん練習するとエネルギーを使うし、寝ている間にもエネルギーは消費されているんです。糖質がないと疲労回復が遅くなるので、そのためにも白米を食べます。そのおかげで僕はこれまでマラソンでエネルギー切れを起こしたことがないんですよ。普段からたくさん食べ、自分の中のエネルギータンクを大きくすることで、十分にエネルギーを蓄えた状態でスタートラインに立てるようになっています」

 豊富な練習をこなし、十分な栄養と睡眠をる。それはマラソンに限らず、どんなアスリートにとっても基本中の基本だ。それをこなした上で、どのように本番前に自分を整えていくと結果が出るのだろうか。

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