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調整は完璧も神野大地に再び悪夢。
ベルリンマラソン途中棄権のワケ (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

―― アフリカでなんとなく世界への手応えを感じてきたということですか。

「ケニアでは最初、みんなについていくことができなかったんですけど、最後はみんなと一緒に練習についていけるようになったので、ケニアに拠点を置けばその差は徐々に埋まっていくのかなって思います。キプサング選手など、30代後半でも世界トップレベルで活躍している選手もいて、その姿を見ていると自分たちで年齢の限界を決めているだけで、いくつになってもやろうと思えばできるってことを考えさせられました」

 神野は、そう言って笑った。

 ケニアは底知れぬ人材の宝庫で、世界に飛び出そうと第2、第3のキプチャゲが荒地を走っている。何かを掴もうとしてハングリー精神をむき出しにして人生を賭けて走るケニアのランナーたちに、自分もまだやらないといけないと思わされた。そのなかでもまれるのであれば成長は必然だ。そこに身を投じていく決意をした神野だがアフリカに行けば強くなるわけではなく、そこで何をして、どう結果にむすびつけるのか、腹痛問題、MGCの権利獲得も含め、神野にとっては息の抜けない時間がつづく――。

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