神野大地はフォーム改造中。意識もチェンジで福岡国際マラソンに挑む

  • 佐藤俊●文・写真 text&photo by Sato Shun

神野プロジェクト Road to 2020(20)

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 レイヤートレーニング(セットごとに負荷を上げながら行なうトレーニング)を見るのは、約半年ぶりだった。

 神野大地にとって、今回で39回目のレイヤートレーニングだが、この日は"初"という取り組みがあった。従来は、AからE1山)、FからJ2山)まで10項目のトレーニングをこなしていた。だが、今回は、AからDEからHIからLまで12項目で3山のトレーニングだった。

「前回、AからKまで3山やったんですが、Lまでは今回が初めてです。3山やると翌日に筋肉に疲労が残るので、レースに影響がないタイミングを考えるとしかなかった」

中野ジェームズ修一氏(写真右)のもと厳しいトレーニングに励む神野大地中野ジェームズ修一氏(写真右)のもと厳しいトレーニングに励む神野大地 フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一は、"初"の意図について、そう語った。

 1118日には上尾シティハーフ、12月2日には福岡国際マラソンが控えている。これからも週2回ペースのトレーニングは続いていくが、トレーニングの強度はそれほど上げられない。だから、10月下旬のタイミングで追い込むしかなかった。

 トレーニングは、黙々と進んでいく。時折、苦しげな神野の喘ぎ声が漏れるが、以前ほどではない。

「最近は『あー』とか『うー』とか騒がなくなり、淡々と静かにトレーニングをこなしていくようになった。それは大腿四頭筋、ハムストリングや臀筋を含め、筋肉と体力がついてきた証拠です」

 中野は、表情を緩め、眼を細める。

 1年半前、5項目1山でスタートした。それでもトレーニング中は苦しい息づかいと大きな喘ぎ声が続いた。神野は「1山で限界だったし、翌日の筋肉痛が半端なかった」と当時を振り返って苦笑するが、あれから神野の肉体はかなり進化したということだ。

 この日のダンベルを使うトレーニングも半年前はひとつ4キロだったが、この日は8キロを使用していた。筋肉への負荷が倍以上になるが、それに耐えうるだけの体になってきたという証拠でもある。

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