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神野大地はフォーム改造中。
意識もチェンジで福岡国際マラソンに挑む (2ページ目)

  • 佐藤俊●文・写真 text&photo by Sato Shun

 筋肉がつき、体力が向上すると当然、走りに変化が生じることになる。

 約2カ月のケニア合宿後、9月のベルリンマラソン、そして1021日の高島平ロードレース(20kmでの神野の走りを見ていると、あきらかにフォームが変わったことが見てとれる。ストライドが大きくなり、横振りだった腕の振りが縦になってきているのだ。

 ただ、フォーム改造には、リスクがともなう。

 それまで使わない筋肉や運動が求められるので走りがぎこちなくなったり、故障してしまうケースもあるが、神野は比較的スムーズにフォーム改造が進んでいる。

 神野は言う。

「たぶん、何のトレーニングもせずにフォームを変えようとしたら、リズムがかみ合わないとかいろんなリスクが出てくると思うんです。でも、僕はそれ以前にトレーニングによって準備がしっかりできた上でフォームを変えているので、これは変だなって思うことがないんです。意識的にというよりも気が付いたら変わっていたという感覚ですね」

 これまでもフォームは確実に変化してきた。

 たとえば、以前はガニ股走りだったが、トレーニングで筋肉をつけて内側に膝を入れて走るようにしたし、べたべたと走る感じだったが足を蹴り上げて畳むということに取り組み、躍動感のある走りになった。中野のトレーニングによって局部的な修正が進み、走り全体を見た時にフォームの変化につながっているのがよく分かる。

「自分のなかでフォームが本当に変わってきたなというのを実感したのは、4月に5000m13分台が出た時ですね。この時ぐらいから接地がミドルフットからフォアフットになってきた。完璧にフォアフットができているかというと、まだまだだと思うけど、自然とつま先から接地してスピードに乗って走れるようになり、ストライドが大きくなったのを感じました」

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