2018.11.08

全日本2位の東海大に一筋の光明。
エースの復調と駅伝デビューの健闘

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Jiji Photo

東海大・駅伝戦記  第34回

全日本大学駅伝(前編)

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 青学大のアンカー梶谷瑠哉(りゅうや/4年)が笑顔でゴールに飛び込んできた。

 すぐに、梶谷の胴上げが始まり、つづいて原晋監督が宙に舞った。

 ゴール付近から離れて待機していた東海大の選手たちは、ゴールに移動した。アンカーの湯澤舜(しゅん/4年)の姿が見えると、選手たちはホッとしたような表情を見せた。

 東洋大のエース相澤晃(3年)に26秒差まで迫られたが、なんとか粘って逃げ切った。

 全日本大学駅伝2位――。

駅伝デビューとなった東海大4区の西田壮志は、後半苦しんだがトップで襷をつないだ 7区途中まではトップでレースを引っ張ったが、ラスト2区間で青学大に逆に2分以上もの差をけられた。

「完敗でした」

 両角速(もろずみ・はやし)監督は試合後、そう語、昨年に続き終盤で逆転され、タイトルを失った。東海大は、なぜ青学大の後塵を拝することになったのだろうか。

 今回の全日本大学駅伝は、50周年記念大会ということで8区を除く7区間で距離の変更があった。とりわけ大きかったのが7区だ。5.7キロ伸びて17.6キロになり、ロング区間になった。また、1区は14.6キロから唯一、10キロを切るスピード区間(9.5キロ)となり、両角監督曰く「選手の区間配置が難しくなった」レースになったのである。

 レース前、両角監督は勝負区間についてこう言っていた。

「7区の湊谷がポイントになるでしょう。ラスト2区間は、青学さんも東洋さんも強い。うちがトップに立ち、その2校にはできるだけ差をつけておきたいですね」

 レース当日の選手変更で7区に青学大はエースでキャプテンの森田歩希(ほまれ/4年)を置いてきた。東洋大は7区を山本修二(4年)に変更し、アンカーには相澤が控えている。ロング区間でのイーブン勝負になるとやや分が悪い。湊谷春紀(4年)に襷を渡すまでに、どのくらい2位以下、とくに青学大を引き離せるか。それが勝利への大きなポイントになっていた。

 その狙いどおり、レース序盤から東海大は理想のレース運びを見せた。