2018.11.09

箱根で打倒・青学大へ。東海大は弱点
「ロング区間」をどう克服するか

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

東海大・駅伝戦記 第35回

全日本大学駅伝(後編)

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 東海大は4区、西田壮志(たけし/2年)がトップを維持し、5区の鬼塚翔太(3年)につないだ。

 ここまでは両角速(もろずみ・はやし)監督の狙い通りに進んでいた。

 1区の西川雄一朗(3年)がトップ集団に付き、2区の關颯人(せき・はやと/3年)、3区の館澤亨次(たてざわ・りょうじ/3年)で相手を突き離す。青学大の4区は今年1月の箱根駅伝7区で区間新を出した林奎介(4年)だか、ここは西田が抜かれず我慢した。そして、5区の鬼塚がタイム差をさらに広げる。ロング区間の7区、8区につなげるまで、できれば1分以上の差をつける。ラスト2区間、青学大はエースの森田歩希(ほまれ/4年)と梶谷瑠哉(りゅうや/4年)という力のある選手が控えており、東海大が勝つには、そのプランしかなかった。

全日本大学駅伝を2位でゴールした東海大アンカーの湯澤舜 その意味で5区の鬼塚にかかる期待は非常に大きかった。

 青学大は吉田祐也(3年)で、彼は初駅伝である。吉田と鬼塚との力関係を考えれば、ここで一気に差を広げていけると東海大の選手たちは考えていたし、鬼塚自身もその気持ちでいた。

 両角監督も「鬼塚はゲームチェンジャー」と相手との差を広げるか、あるいは差を縮める快走を期待していた。レース前、両角監督は勝負のポイントを7区に挙げていたが、隠れ勝負ポイントはこの5区だったのである。

 ところが、鬼塚が思うように差を広げることができない。

 今シーズンは調子が上がらず、8月末には右足首を痛め、今ひざ痛を抱えていた。躍動感ある走りがみられず、表情は苦しそうだ。5区途中で鬼塚の走りを見ると両角監督は「うーん、もうちょっとペースが上がらないと後半厳しいなぁ」と顔をしかめた。

 監督の願いむなしく、鬼塚は最後までペースアップすることができなかった。いい時の鬼塚の走りを知るだけに、なんとも歯痒い感じがする。鬼塚は吉田に区間賞を奪われ、差を広げるどころか、逆に2秒ほど差を詰められ、青学大との差は24秒になった。