2018.08.02

痛恨の極み。3大駅伝選考へ重要な夏、
好調な東海大3年を襲った事件

  • 佐藤俊●文・写真 text&photo by Sato Shun

東海大・駅伝戦記  第29回

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 関東学生網走夏季記録挑戦競技会――。

 この大会は、本格的な夏前に涼しい北海道で、中間層の選手強化の一環として開催された。そのため参加資格は、5000mは標準記録1445秒、参加上限記録は1352秒、1万mの標準記録は3000秒、参加上限記録は2845秒に制限されている。

今年こそ3大駅伝を走りたいと意欲を見せる東海大3年の小松陽平 同時期にホクレンロングディスタンスが開催されているが、記録順に遅い時間の出走になるので、記録が足りない選手は気温の高い昼に走ることになる。そういう選手の救済としての位置づけもある。

 暑さ対策のために、スタートは1830分に設定された。

 北海道以外は30度から40度近い猛暑がつづく日本列島だが、この日の網走は日没とともに気温が20度まで下がり、湿度は80%あったが走るには悪くないコンディション。ただ、風が強く、好記録を望むのはちょっと難しい状況だった。

 東海大からは、5000mに5名、1万mに6名の選手が参戦していた。

 5000mは出走者26名中13名が1年生で、彼らの走りが注目だった。東海大からは田中康靖、本間敬大、市村朋樹の3名の1年生がエントリーしていた。彼らはいずれも期待大のルーキーだが、「積極的なレースを見せてほしい」という両角速(もろずみ・はやし)監督の期待どおりの走りができるかどうか。

 ジョセフ・オンサリゴ(那須建設)をペースメーカーとしてスタートし、昨年箱根駅伝1区2位の浦野雄平(国学院大3年)らがトップ集団を形成。市村もトップ集団に入り、積極的なレース展開を見せる。

 1キロ2分49秒から50秒ペースで進み、2400mで6分43秒。1355秒ペースだが、3000mを超えるとペースが遅くなり始めた。4000mでは1117秒と14分5秒ペースにまで落ちた。

 市村もこの時から少し動きが止まり始めたが、それでも必死に粘っていた。ラストの競り合いで成瀬隆一郎(神奈川大3年)に抜かれたものの、4位でフィッシュした。

「あーダメだっ!」

 市村は天を仰ぎ、悔しさを吐き出した。