トラックシーズン終了。東海大監督が
「心強い」と成長を認めた選手は?
東海大・駅伝戦記 第30回
網走での関東学生夏季記録挑戦競技会の前日、北海道の士別市ではホクレンロングディスタンスの最終戦が行なわれた。19時から行なわれた1万mのレースには大迫傑(おおさこ・すぐる/ナイキ)が出場し、東海大からは主将の湊谷春紀がエントリーしていた。
トラックシーズンを終え「全体的に物足りない」と厳しい表情を見せる東海大・両角監督 ペースメーカーはダニエル・ムイバキトニーで、28分10秒ペースで引っ張った。レース終盤、トップを走る大迫に山藤篤司(神奈川大4年)が喰らいつく。だが、大迫が28分26秒41とトップでゴールすると、山藤は28分35秒41で2位。大学生ながら健闘した。一方、湊谷はラストで太田智樹(早稲田大)に抜かれ、30分21秒89の10位に終わった。
照明が小さく、ほとんど暗闇のなか、湊谷は「情けない」と繰り返した。
「ここまで故障なくやれているのはよかったんですが、全体的にピリッとしないですね。今日のレースも、普段は一緒に走れないような選手と走れたんですけど......納得いく走りが全然できなかった」
湊谷はトラックではなく、ロード中心の選手。同じタイプの湯澤瞬(4年)が関東インカレのハーフで2位に入るなど好調な走りを見せたが、湊谷はその大会で7位。東海大の長距離記録会3000mでは8分25秒82の自己ベストを叩き出し、スピードがついてきている感はあるが、レースで勝てない状況が続いている。
「勝つべきところで勝てないのは、練習不足からだと思います。湯澤とかに比べると走っている距離が少ないですし、試合で結果を出して、初めていい練習をしたなと思えるので、結果が出ないうちはいくら練習をしても、その方法や内容が正しくなかったのかなと考えてしまいます。安定感がないのは感じているので、夏にしっかり鍛えないといけないですね」
湊谷は厳しい表情でそう語った。
今シーズンから主将になった湊谷は、5月の時点では特別なことをせず、それぞれの選手が力を伸ばしてくれれば......という話をしていたが、トラックシーズンを終えて、チーム全体の調子をどう見ているのだろうか。
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