プロランナー神野大地、フルーツ缶で体質改善し、ケニアで限界に挑む (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

――寮生活でなくなりましたが、食事はどうしてますか?

「退社した後、GWに母が来てくれて、作り置きしてくれたので今はそれで対応しています。今後は契約した栄養士さんにお願いする予定です。昼食と夕食を中心に、週に3日くらい来てもらって、作り置きしていただく食事と併用しながら栄養面からのサポートを受けます。

 これまでは"チーム"のための食事だったものが、これからは"神野大地だけ"の食事ができる。血液検査をして、その時必要なもの、僕が走るために摂らないといけないものを摂れるので、しっかりと体を作れます」

 プロランナーになったご褒美とでもいうのだろうか。うれしいニュースが届いた。長年、神野を苦しめた腹痛の原因が、ようやくわかったのである。

――腹痛の原因が解明されたようですね。

「めっちゃいいことですよね(笑)。僕の横隔膜が大きくて、それは長距離ランナーにとってはすごくいいことなんですけど、その横隔膜と内臓の間に普通の人は内臓脂肪があるんです。長距離の選手は、もともと内臓脂肪が少ないんですけど、僕はさらに少ないらしくて。内臓脂肪がない上に横隔膜が大きいので、体が追い込まれた時にすれて痛みが出ていたんです。それがわかった時はホッとしましたね。不安材料が100%消えたわけじゃないですけど、10%ぐらいになったので走りにもいい影響が出てくると思います」

――腹痛の防止策は見つかったのですか。

「もう薬は摂らず、食事での改善を試しています。内臓脂肪は1週間ぐらいで簡単に作れるらしく、それにはフルーツの缶詰がいいと言われたんです。スーパーで缶詰の写メを撮って中野さんに送り、『これがいい』っていう指令が来たので、今はみかん、モモ、パイナップルが入ったフルーツのミックス缶を食べています。

 レースの1週間前から摂りはじめて、レース当日の昼まで全部で24缶を食べました。それで、これまで5000mと1万mの2レースに出場したんですが、まったく痛みは出ていません。あとは、これでハーフやフルマラソンを走った時にどう出るかですね」

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