山縣、桐生がギアアップ。日本短距離勢が早くも「メダル級」の記録 (4ページ目)
そのバトンを3走の桐生、4走のケンブリッジがしっかりとつないで1位でゴール。タイムはリオ五輪の決勝と予選で出した37秒60と37秒68に次ぐ、日本歴代3位の37秒85だった。
桐生は「100mが終わって時間がなかったのでバトンパスの練習もできなかったですが、その中でしっかりつなげたのは大きい。レース後、ケンブリッジさんとも、これなら日本記録も超えられるなと話しました」と笑顔。
バトン練習もしっかりやっていない上に、まだシーズン序盤で調子を上げきれていない状態ながらも記録を出したリレーについて、土江コーチはこう言う。
「これで37秒台前半も見えましたね。今日走った4人もフラットレースでは100%ではないので、それが研ぎ澄まされて100%に近くなればもっと走力も上がるし、バトンパスももっと(タイムが)削れてくるので、目標に近づけると思う。
19年世界選手権までの長い目で見ていますが、世界選手権の出場権は来年の世界リレーで10チームが決まり、あとの6チームはランキング順になる。その点では、もし世界リレーで出場権を取れなくても、ここで37秒85を出せたことで『ランキングで大丈夫だ』といえるくらいの状態にできた。それが大きいでしょう」
4×100mリレーの世界記録はジャマイカが持つ36秒84だが、ウサイン・ボルトが引退したことで、そのタイムが出る可能性は低くなっている。それに続くのはアメリカの37秒38、イギリスが昨年出した37秒47だ。
そんな世界の状況を考えれば、37秒台前半は金メダルが見える記録と言っていい。そこまで見通せるような好結果を残したことで、ゴールデングランプリ大阪は男子短距離にとって、大きな収穫を得る大会になった。
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