2018.05.02

日本人2人目の「100m9秒台」は
山縣亮太…となりそうなのか?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamaura Hiroyuki

9秒台には届かなかったが、手応えはつかんだ山縣亮太 4月29日に行なわれた織田記念男子100m。決勝前の山縣亮太(セイコー)のスタート練習を見ていると、スタートしてからの加速で上半身の力を使っているように見えた。

 予選前のスタート練習の動きはもう少し力感を抑えたものだったが、昼の予選では、「スタートが遅れた印象が強かったので、それが中盤以降の走りの伸びにつながってこない感じがした」と言うように、追い風1.7mでも10秒24にとどまった。

 山縣の今季最初のレースは、3月のオーストラリア。10秒15で走ったが「スタートで少し重心が後ろに乗ってしまうような印象があった」と振り返る。その修正を課題として取り組んできたものの、織田記念の予選では、まだ不安が残った。

 そのため決勝へ向けては、スタートからしっかり力を出していく走りをイメージしたという。

「中盤以降に力を残しておくか、スタートからいって逃げ切るレースをするか、悩んだところではありました。だけど、やっぱり予選と同じような走りをしていたら、ある程度結果が見えていたので、自分の中で今後につなげるという意味で、スタートからいったらどうなるだろうな、と考えた。中盤以降の伸びは少し足りなかったかもしれないけど、大体のタイム感覚と手応えはつかめたので、次のレースのイメージが沸きやすくなったと思っています」

 決勝では序盤でしっかり抜け出すと、しっかりとケンブリッジ飛鳥(ナイキ)などの追撃を振り切り、追い風1.3mの条件の中、10秒17で優勝した。

 山縣は昨シーズン、得意なスタートから序盤だけではなく、中盤から後半の走りにも磨きをかけようとパワーアップを意識。3月11日のオーストラリアでは10秒08、10秒06で走る好発進をしたが、足首を痛めて春の国内シーズンは欠場が続いた。ぶっつけ本番で6月23日からの日本選手権に出場したものの、決勝で10秒39の6位という結果に終わった。

 その後、7月の実業団・学生対抗競技会や8月の中国5県対抗選手権を走ってスタートの感覚を取り戻すと、9月24日の全日本実業団対抗選手権では目指していた中盤以降の走りと、得意なスタートが結びついてくると追い風0.2mの条件で10秒00を出した。