東海大・箱根のエースたちが、この時期に追求する「超スピード勝負」
箱根駅伝でも活躍した舘澤亨次だが、トラック競技にも力を入れている東海大・駅伝戦記 第26回
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館澤亨次(3年)が悩みの淵から生還した。
セイコーゴールデングランプリ(5月20日/大阪・ヤンマースタジアム)1500mに出場し、3分40秒49の日本人トップ、総合5位という成績を挙げた。4月22日、兵庫リレーカーニバルで敗れた小林航央(こおう/筑波大)にリベンジし、自己ベストを更新。ラストスパートにスピードが戻ってきた。
「3分30秒台が目標だったんですけどね」
館澤がニヤける。目標タイムにはほんのわずか届かなかったが、アジア大会出場の標準記録にピタリと並ぶタイムで条件をクリアし、ジャカルタで出走することが可能になった。レース後にそのことが伝えられると、「よかったぁ」と表情を崩し、小さくガッツポーズした。
レースプランをレース中に変えた。
スタート前、外国人選手たちが800mを1分55秒通過のペースでは遅いという話をしているのを聞いた。
「そのペースでついていくと打ちあがってしまう」
館澤はペースが速すぎると判断した時は、無理せず、集団のうしろでポジションをキープし、後半にかけて徐々に順位を上げていく展開を考えた。ところがレースが始まると、スタートから飛ばしていくだろうと思われた外国人選手が前に出ていかなかった。
「あれって思ったんです。それでも持ちタイムを考えると後半、必ず上がっていくだろうと予想して、外国人選手の後ろでタメて、ラストで仕掛ける作戦に切り替えました」
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