2018.05.22

山縣、桐生がギアアップ。
日本短距離勢が早くも「メダル級」の記録

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 桐生祥秀(日本生命)にとって100mの今季国内初戦となった5月20日のゴールデングランプリ大阪。山縣亮太(セイコー)やケンブリッジ飛鳥(ナイキ)、多田修平(関西学院大)など国内の主力選手が勢ぞろいしたレースは、それぞれが手応えを得るものになった。

ガトリンに続いてゴールした2位の山縣亮太(左)と4位の桐生祥秀 レースは、リアクションタイム0秒135で飛び出した4レーンの桐生がスタートでわずかにリード。

 しかし、隣の5レーンを走った山縣が、冷静な走りで30mを過ぎたあたりから桐生の前に出た。

「スタートで(桐生に)前に出られたので接戦になるなと思いましたが、そこで硬くならないように、テーマのひとつである中盤や後半の走りをしっかりやろうと思っていました」

 結果は、山縣と同じようなタイミングで抜け出した3レーンのジャスティン・ガトリン(アメリカ)が、体ひとつリードして10秒06で優勝。山縣は、アイザイア・ヤング(アメリカ)から逃げ切り、10秒13で2位となった。向かい風0.7mという条件を考えれば、10秒0台を感じさせる走りだった。

 試合後、山縣はレースをこう振り返った。

「自分の手応えとしては、練習の時の力を100%出せたかというと、ちょっと課題が残ったというのが正直なところ。全体的に重心が後ろに残ってしまった走りだったので、『もう少しスタートでキレをよくして最初の30mを走れば』とビデオを見て思った。そこの殻をひとつ破れれば、いいスタートを切れて、中盤以降の走りももっとよくなると思います。今年は記録というより、(課題を)勝負のメンタルに持っているので、それがうまくいって混戦から抜け出せたのかなと思います」