ベテラン駅伝記者が「箱根の区間エントリー」から読む有力大学の戦略 (2ページ目)
箱根の1区はどんな展開になるか予想できない上に、最初から単独で抜け出して勝負するには、他の選手たちが「絶対に敵わない」と認めざるを得ないほどの圧倒的な力を持っていなければならない。それを狙っている可能性もあるが、今の状況を見る限りは、完調ではなくても地力の高さで上位争いに加わり秒差でつなげると考えているとみられる。
關に代わって2区に起用の阪口竜平(2年)は出雲駅伝の1区で区間賞も獲得していて、起用するなら1区だと思われた選手。全日本は補欠にまわり、長い距離の実績がないだけに当日変更も考えられる。
その場合、1年の時にハーフマラソンを1時間03分14秒で走り、前回は5区に起用された舘澤亨次(2年)か、1時間03分03秒を持っている高田凜太郎(2年)への変更か。
そのあとの3区で鬼塚を使い、4区は終盤の上りを考えて確実に走る春日千速(ちはや/4年)を置いているところを考えると、あえて往路での勝負にこだわらず、6区には区間賞争いが期待できる中島怜利(れいり/2年)がいる復勝負を意識しているだろう。
そうなれば高田で2区をしのぎ、舘澤を上り基調の8区に置いて勝負するという可能性が大きい。9区と10区にはハーフマラソン1時間02分台の湊谷春紀(3年)と川端千都(かずと/4年)がいて万全な状態。他にもハーフマラソン1時間03分12秒の湯澤舜(3年)と1時間03分16秒の西川雄一朗(2年)も控えている、贅沢な戦力だ。
一方、青学大は切り札の田村和希(4年)を3区に置いてきた。1区は全日本の最長区間8区を区間4位で走った鈴木塁人(たかと/2年)で、2区には前回4区区間2位の森田歩希(ほまれ/3年)をエントリーした。
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