手が届いた箱根駅伝のシード権を掴みに。上武大が「第一関門」に挑む (5ページ目)

  • text by Sportiva
  • 志村正太郎●撮影 photo by Shimura Shotaro

「練習だけじゃなくてミーティングからも距離を置きました。それでも、監督とコーチは僕をクビにすることなく、『時間をあげるからゆっくり考えろ』と、1カ月ほど時間をくれたんです。今は、その恩を返していきたいという想いで練習しています。今年は1500mでやっているので、長い距離に関してはみんなから遅れていますから、予選会は60分ひと桁から30くらいでまとめられたらと思います。

 今年はここまで、トレーナーの木村(省吾・4年)の支えもあってケガもありません。大きな期待をしてくれている方もいるかもしれませんが、周りの声に左右されず、自分の目標をしっかり決めて走りたいです」

 今年の往路で8位に入ったことで、周囲のチームを見る目は変わった。箱根のシード権獲得に期待がかかるのはもちろん、「予選会は突破して当たり前でしょ」と言われることも多くなったと近藤監督は明かす。

「余裕があるように見られがちですが、選手にそう感じさせてはいけないし、僕もまったく思っていない。今年シード権を取った神奈川大が5位で昨年の予選会を通過しているので、そこが最低ライン。あとは、どこまでトップに迫れるかですね」

 決して驕(おご)らずに力を溜めてきた上武大。心も体も逞しくなった選手たちが、まずは10年連続の本戦出場をかけて予選会に挑む。

■駅伝・陸上記事の一覧>>

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る