手が届いた箱根駅伝のシード権を掴みに。上武大が「第一関門」に挑む (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 志村正太郎●撮影 photo by Shimura Shotaro

上武大駅伝部を率いて2年目となる近藤監督上武大駅伝部を率いて2年目となる近藤監督

 昨年は、花田勝彦前監督(現GMOアスリーツ監督)から職を引き継いだばかりでコーチがおらず、チーム全体の状況を把握するのが難しくなっていた。そこで昨年12月に、近藤監督が松蔭大学の駅伝部を率いていた時の教え子である本村哲也氏をコーチに招き、主にBチームの指導を任せた。トレーニングだけでなくコミュニケーションの部分でも連携をとり、昨年から力を入れていたメンタルトレーニングと併せて選手を支えた。

 加えて、「個人で力を発揮する選手が多い」という新4年生の中で、バランス感覚に優れていた松村脩平を主将に据えた。近藤監督が高校時代から気にかけていた選手で、大学に入ってから大きなケガを乗り越えた経験が買われての抜擢だったが、松村は大きなプレッシャーを感じていたという。

「去年の森田さんが素晴らしいキャプテンシーを発揮していましたからね。でも、監督やコーチが『森田と同じようにやる必要はない』と言ってくれたことで、自分なりにチームを見られるようになりました。特にコミュニケーションには気を使っています。実体験から、チームの和を乱すような行動をしてしまう選手は、故障や何かしらの不安を抱えている可能性がある。そんな選手には、食事や練習のなかで話を聞いたり、こちらで目標を設定してみたりと、いろんなアプローチをしています。

 思い通りにいかないことも当然あるんですが、監督やコーチをはじめ、スタッフや卒業した先輩方など、いろんな方に支えてもらって今があります。箱根でその恩返しをするためにも、まずは予選会を突破することに全力を注ぎます」

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