【東海大・駅伝戦記】エースも復活。出雲は「誰を使ってもいい状態」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun  photo by Kitagawa Toshihiro /AFLO

 三上と塩澤、松尾、國行が先頭集団についていくが、残り1000mで先頭が8人になった。その後、先頭集団がバラけてきたが三上、塩澤、松尾、國行が追う。川端が少し遅れた。ラスト1周、三上は懸命に前を追う。直線に入る第4コーナー手前で13分50秒を切れるタイムで入ってきた。

三上:9位:13分47秒26

松尾:12位:13分56秒07

塩澤:13位:13分57秒03

國行:15位:13分58秒70

 13分台が4名出て、4人とも自己ベストを更新した。彼らは白樺湖3次選抜合宿をこなしてきた選手である。夏の厳しい合宿を乗り越えた成果が見えた。

 三上は、満足そうな表情を見せた。

「昨日まで練習がうまくいっていなくて、今朝まで動けなかったんです。東海のトップを狙って打ち上がったら、ドンマイだなって開き直って走れたのがよかったです」

 ふぅーと大きく深呼吸して、笑みを見せた。

「これは夏合宿の成果かなって思いますね」

 三上は高嶺高原での2000m高地合宿を終えた後、日本インカレ組と選抜組の白樺湖合宿まで4週間、故障なく、順調に終えた。「練習中からバチバチやっていたんで、いい刺激になりました」というように充実した合宿だった。9月の日本インカレでは3000mSC(障害)で2位に入った。その試合が終わった時から「日体大記録会で力を発揮して出雲駅伝のメンバーを勝ち取る」ことに集中し、調整してきた。それだけに、この記録会でなんとしても結果を出さないといけないという強い思いがあったのだ。

「今のチームは4年生が引っ張ってチームの軸になってくれて、2年生がそれについていって高め合っているんです。自分らの代(3年生)は故障者が多く、『谷間の世代』になっているんですよ。白樺湖選抜合宿も実業団の練習に行っている選手がいたりしたけど、結局自分ひとりでしたし......。個人的には駅伝を走りたいですし、先輩として駅伝で存在感を出して3年生を盛り上げていかないと来年、誰もついてこなくなってしまう。ここで負けるわけにはいかなかったんです」

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