【月報・青学陸上部】「箱根3区を狙う」
春の成長株、橋詰大慧という男 (3ページ目)
「1月の都道府県駅伝で和歌山県の代表として3区を走ったんですが、その時の監督が和歌山北高校時代の監督だったんです。そこで、『お前のことを応援している人が地元にはたくさんいるから、がんばれ』って言ってくださって。それから自分には応援してくれている人がいる、より一層がんばらないといけないと気持ちが入れ替わりました」
気持ちが入ると練習に集中できるようになり、結果も出るようになった。
3月の立川ハーフでは季節外れの暑さの中、自己ベスト(1時間02分46秒)で5位に入る見事な走りを見せた。ここが絶好調男のスタートだと思っていたが、それよりも1ヵ月前に自信となったレースがあったという。
「神奈川ハーフです。タイム自体は、そんなによくなかったですし、僕は4位だったんです。でも、箱根を走った森田が3位でタイム差を10秒以内におさえることができた。そこでいける手ごたえを感じて、調子が上がり始めたんです。今の好調の流れを神奈川ハーフが作ってくれたので、自分にとっては大きなレースになりました」
インカレ1万mのレースは、ケニア勢3人が引っ張り、日本人では橋詰が4番手でついていく。1000mを2分45秒の速いいペースで進み、大会新記録を出す勢いだ。
橋詰は3000mまでついていったが、そこで先頭集団から離れた。
「そこからついていくのは今の力では無理だと思ったので、余裕を持って自分のペースで走り、後ろに追いつかれた時に切り替えられるようにしようと思っていました」
橋詰は冷静にレース展開を見て、判断していたのだ。
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