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【月報・青学陸上部】「箱根3区を狙う」
春の成長株、橋詰大慧という男 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 第2集団に吸収されても落ちることなく、ついていった。ラストは鈴木と日本人トップの座をかけて競った。鈴木の背後から差す瞬間を狙っていたが、その差は詰まらず、突き離れされて終わった。
 
橋詰:28分56秒06(6位入賞)
森田:29分05秒85(9位)
橋間:30分32秒71(37位)
 
 橋詰の顔には汗が吹き出し、表情には悔しさがにじみ出ている。

「関東インカレに出させていただいて、タイムよりも順位を狙ったんですが、日本人トップの鈴木さんに勝てなかったのが反省点です。ただ、3000mから先頭集団から離れて、普通ならあのまま落ちていっていたんですけど、今回は落ちなかった。3年目にしてようやく自分の粘り強さが出てきたかなと思います」

 現在、学生長距離ランナーでナンバー1ともいわれる鈴木と競り合ったのは自信になるはずだ。このまま故障せず、夏合宿を乗り越えていけば、"実りの秋"となるだろう。勉強が苦手で、それで追い込まれるとテンションが下がるという弱さもあるが、それを乗り切れば、昨年悔しい思いをした箱根も十分狙える。

「昨年の箱根は4区の森田の給水のサポートをしていました。仲のいい森田の走りを見て、その時、より一層箱根を走りたいと思いました。できれば、同じ学年で襷(たすき)
をつなぎたいので、自分が3区を走り、4区の森田につなぐことができたらいいかなと思っています」

 昨年、3連覇を達成した箱根のメンバーの内、4名が卒業した。そこを埋めていく作業が急務だが、橋詰の成長は穴を埋めて余りある存在になるだろう。また、橋詰自身も必要とされる選手になるという自覚をすでに持っている。

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