箱根2区を制した神大・鈴木健吾が「マラソン向き」と言われる理由 (5ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

「後半には自信があったので、15kmくらいから勝負を仕掛けてレースを動かしたら勝てるかなと思っていました。自分が勝ちやすい展開に持っていけたのがよかったです。でも、15~20kmのタイムがその前の5kmより7秒落ちたし、最後ゴールまでの1kmも3分15秒かかったのは悔しいですね。さらに上を目指すとなったら、あのペースでもついてくる選手はいると思うので。

 練習でも、後半のペースを1本目より2本目、2本目より3本目で上げることは、監督からも口を酸っぱく言われています。なので、本番でタイムを落としてしまったことは課題です。ただ、自分が目標にしている舞台の出場権がかかっていて、『勝たなきゃいけない』という状況の中で優勝できたのは自信になりました」

 出場権を手にした鈴木の次なる目標は、8月下旬のユニバーシアードでの優勝。日本チームはメダル獲得を必須目標としており、団体との2冠獲得も狙っている。その約1ヵ月前のホクレンディスタンスに出場する予定の鈴木は、ここで1万mの自己記録更新を狙う。

 さらにその先には、最後の箱根駅伝2区で日本人最高記録(99年に順天堂大学の三代直樹が記録した1時間06分46秒)を更新するという目標もある。あくまでマラソン挑戦は、それを果たした後にあるものだ。

「マラソンも、本気で挑戦したいと思ったのは、去年の東京マラソンで同学年の下田裕太(青学大)が結果を出してからですね。でも、東京五輪は、まだ経験が少ないから『狙えたらいいな』くらいに考えています。心の底では狙いたい気持ちもあるけど、まだマラソンを一回も走っていないですし、マラソン練習を本格的にやっているわけでもないのに『東京五輪に出る』と言える立場ではないと思っているので」

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