箱根2区を制した神大・鈴木健吾が「マラソン向き」と言われる理由

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

 4月13日までニュージーランドで行なわれている日本陸上競技連盟のマラソン合宿。今回が初参加となる鈴木健吾(神奈川大4年)は、神野大地(コニカミノルタ)らと共に汗を流している。

青学大の一色恭志らを引き離し、箱根2区で区間賞を獲得した鈴木青学大の一色恭志らを引き離し、箱根2区で区間賞を獲得した鈴木 鈴木は今年の箱根駅伝2区で区間賞を獲得し、4年生になった今季は学生長距離界のエースとしても期待されている。多くの陸上関係者が「マラソンに向いている」と注目する選手だ。

 来年の箱根駅伝の後でマラソンに初挑戦する予定の鈴木は、「短い距離より長い距離のほうが得意だなというのはありますが、マラソンに向いているかどうかはまだ走ったこともないからわからない。一度走って結果を残してから、『マラソンに向いている』と言われるようになれば嬉しいですが、今はそう言われても別に嬉しくはないです」と、照れくさそうに話す。

 控え目な性格の鈴木が現在掲げている目標は、今年8月に台湾・台北で開催されるユニバーシアードのハーフマラソンで優勝することだ。ユニバーシアードを目指すことを決意したのは、鈴木がまだ2年生の時。2015年のユニバーシアード(韓国・光州)でコーチを務めた神奈川大陸上競技部の大後栄治監督が「自分の大学の選手と行きたかった」と帰国後に語り、大会で経験してきたさまざまなエピソードを話してくれたのがきっかけだった。

「その時までは『走ってみたいな』くらいしか思っていなかったんですが、監督と話をしたことで、そういう舞台に出たいという想いが強くなったんです。そこで、4年時のユニバーシアード出場を目標に、その選考会となる同年3月の日本学生ハーフで結果を残すために練習を積むようになりました」

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