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【月報・青学陸上部】不振の「秋山隊長」が
快走。往路優勝を呼び込んだ (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun  photo by Kyodo News


 一色はそう言って胸を張った。

 神野や久保田和真ら史上最強の4年生を擁して完全優勝した昨年とは、たしかに違う。ハラハラドキドキ感は増したが、それぞれが役割を果たし、選手層の厚さを見せつけて往路を制した。

 出雲、全日本と違うヒーロー「湘南の神」が誕生するなど、ヒーローが大会ごとに変わるのも強いチームの象徴である。さらに山梨学院大のドミニク・ニャイロや東海大の關(せき)颯人、駒澤大の中谷圭佑などエースと呼ばれる選手が結果を出せずにバタバタと崩れていく中、青学だけはブレーキがなかった。日頃からの時間をかけたケアと全日本以降、さらに徹底管理したコンディションがブレーキのない普段着の走りを実現させ、往路優勝につながった。

「サンキュー!! あれ? まだ早いかっ」

 まだ復路が残っていたが、原監督が思わず大勢のファンに向かって「サンキュー大作戦」成功のVサインを見せた。スタートする前の大手町ではかなり厳しい表情をしていたが、さまざまな懸念は杞憂だった。終わってみれば、そんなフライングが出るほど余裕の往路優勝だった。

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