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箱根駅伝の区間エントリーで読む、青学、早稲田、東海ほか有力校の思惑

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by NikkanSports/AFLO

 12月29日に発表された、第93回箱根駅伝の区間エントリー。大学駅伝3冠と大会3連覇を狙う青山学院大が煙幕を張ってきた。重要区間である1区に梶谷瑠哉(2年)を、7区も林奎介(2年)という3大駅伝未経験者を配置する一方で、準エースの田村和希(3年)と前回8区区間賞の下田悠太(3年)、さらに出雲駅伝で1区を務め、11月の世田谷246ハーフを1時間02分55秒で2位になった鈴木塁人(1年)を補欠に回したのだ。

各大学が「打倒・青学大」を掲げるなか、今回もまた名勝負が繰り広げられる箱根駅伝各大学が「打倒・青学大」を掲げるなか、今回もまた名勝負が繰り広げられる箱根駅伝 2区にエントリーされた一色恭志(4年)と、補欠の田村、下田の調子は決して悪くないというが、原晋監督は「故障者が2~3枚いて、去年のような楽勝ムードはない。"山の神"が出てきたら白旗です」と控え目な発言だった。たとえ故障者がいたとしても主力が万全な状態ならば、青学大の総合力は頭一つ以上も他校より飛び出している状態だ。それなのに煙幕を張るということは、なにかしらの問題が起こったのかもしれない。

 大方の予想通りに、鈴木を1区に起用した場合、ライバル校に遅れても秒差での中継なら、2区の一色と4区の田村で十分にひっくり返せると考えていただろう。そのあとの5区では、今回は神野大地という"山の神"がいないが、ここをしのげば、前回58分31秒で走っている6区の小野田勇次で逆転でき、7区以降も層の厚さで突っ走ることができるだろうと予測が立つ。だが、その作戦を取れなかったのは、鈴木や復路をまかせる予定だった選手に異変が起きた可能性がある。

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