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【月報・青学陸上部】3冠に王手。
接戦だからこそ見えた底知れぬ強さ (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun  photo by Kyodo news

 出雲駅伝のメンバーには漏れたが、10月1日の世田谷記録会(5000m)では下田裕太(3年)や田村和を抑えて13 分46秒を出した。全日本駅伝直前の富津合宿でも調子がよく、「小野田と森田(歩希・2年)はいいよ」と原監督は大いに期待していた。

 小野田はその期待を背負い、快走していた。一方、早稲田大の新迫志希も粘り、タイム差がなかなか縮まらない。

「1分7秒差から小野田が20秒以上遅れると、危険水域に入る。ここを頑張って1分差をキープして、森田につなげたい」

 原監督はバスに乗り込む前、祈るようにそう言った。小野田もタイム差を縮め、少しでも追いつこうと懸命に走っていた。

「せめて相手が見えるところまで追い上げたいと思ったんですが、向かい風が強すぎて......。なかなか前に進めずキツかった」

 それでも小野田は区間賞を取る走りで5秒、タイムを縮めた。こうして一人ひとりがコツコツとタイム差を縮めていくことが駅伝での勝利につながる。

 トップの早稲田大との差は1分2秒。

 3位の山梨学院大との差は3分近く開いた。この時点で山梨学院大は優勝戦線から脱落。残り3区間を残して青学大と早稲田大との一騎打ちになった。

 6区(12.3km)、駅伝デビューの森田が勢いよく飛び出した。

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