GMOに加入する青学大エース・一色恭志に
花田勝彦監督が求めるもの (4ページ目)
GMOでは高地トレーニングだけでなく、フィジカル強化でも最先端の手法を取り入れているが、「それだけでは不十分」と花田監督は考える。タフな戦いになればなるほど最終的にモノをいうのは「科学を超えた精神の強さ」。酷暑でのレースが予想される2020年東京五輪を見据える以上、その部分にも向き合っていかなければならない。
「私の師でもあった瀬古利彦さん(現DeNA総監督)が練習で行なっていたような、50km走なども将来的に必要になると一色選手本人も自覚しています。科学の力は大いに利用しますが、それだけではアフリカ勢には勝てません。今の時代に逆行する部分もあるかもしれませんが、最終的には生活すべてを競技にかける覚悟を決めなければ、勝負の舞台には上がれないと考えています」
まずは、長く更新されていないマラソン日本記録が最初のターゲット。そして世界と戦うためには、「最低でも2時間5分台の力が必要」というのがGMOの考えだ。そのためにはトラックのスピードもさらに伸ばしていく必要があり、先に挙げた「自分自身でレースを作れる強さ」も備えなければならない。「日本人でもまだまできるはずです」と話す花田監督はその未来に、手ごたえを感じているようだ。
GMOアスリーツはまだ動き出したばかり。「世界No.1を目指す」という志がどのような結果に結びつくか、期待したい。
(写真提供:GMOアスリーツ)
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