【月報・青学陸上部】「箱根」のメンバーに
入ってきそうな1年生は? (2ページ目)
「そのときは、そんなに上りがきつい感じじゃなく、もうちょいイケるって感じで調子がよかったんです。もともと山は苦手ではないですし、誰にも負けたくないと思っていたので最後まで走り切りました。そうしたら練習後、監督に『おまえは山候補だ』って言っていただいたんです」
原監督の見立ては5区。
吉田はもちろん箱根を目指して青学に入ってきたのだろうが、原監督に言われるまでは何区を考えていたのだろうか。
「もともと8区か5区かなと考えていました。ただ5区は本当に自分に適性があるのかどうか半信半疑だったんです。でも、8月の合宿で山を走ってみると思った以上に走れましたし、監督からの言葉もあり、今は5区を目指すことで気持ちが固まりました。5区は距離が短くなった(23.2㎞→20.8㎞)ので、1年生でもなんとか走れる距離ですし、チャンスなので絶対に走りたいです」
吉田は163cm、46kgと小柄なサイズだが、山登りにはそのコンパクトなサイズが生きてくる。高速勝負ではなく、低速トルクでグイグイと登るには軽いサイズの方がベターだ。また、三代目山の神・神野大地と同じサイズであることも吉田の"山"への気持ちを一層駆り立てている。
「神野さんと体型が似ているとよく言われます(笑)。ほぼ一緒なら自分も山を走れると思いますし、実際、自分の強みは体重が軽いこと。体が小さい分、エネルギーのロスが少ないので持久力があります」
夏季合宿を順調に終えて、原監督から5区の指名を受けた。4月から怖いくらいに順調にきているが、それには大きなキッカケがあったという。
「入学してしばらくは先輩について練習していたんですけど、5月ごろに監督に『このチームに所属しているだけで、強くなった気でいたらダメだ』って言われたんです。そのとき、先輩方は自分でアクションを起こしているから強いんだ。自分も考えを変えて箱根に出るためにアクションを起こさないといけないって、思ったんです。それからはジョグでも先輩に合わせるのではなく自分のペースで走り、距離を指定された場合は早いペースで走るとか、自分で考えて練習しています」
充実した練習をこなした分、体のケアには十分に時間をかけている。過去に痛い経験があり、これまで順調なだけに「落とし穴」には細心の注意を払っているのだ。
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