【月報・青学陸上部】「箱根」のメンバーに入ってきそうな1年生は? (6ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 練習では(箱根を走れる)10人というメンバー争いの中で、先輩方と自分のポジションを常に意識して学内TTで目に見える結果を出していくこと。タイム的には5000mではどんなときもラクに13分台を出せるようになりたいですし、10000mは28分40秒でいきたいです。あとは ケガだけ気をつけてチームに迷惑をかけないようにするだけですね。それができれば1区を走れると思いますし、他の区間を走っても大丈夫だと思います」

 走りも肝っ玉も"大物ルーキー"といった感だが、走るマシーンではない。西野カナ、miwaなどメッセージ色の濃い歌に刺激を受け、「長距離は気持ちで走るので彼女の存在は大きい」と普通に恋愛観を語る。高校時代は坊主だったが入学してから髪の毛が伸び、「青学生っぽくなりましたでしょ?」と笑う表情には1年生の初々しさが残る。一方で、その柔和な表情とは裏腹に将来のことを含め、キャリアをプランニングする合理主義な一面を持つ。

「大学卒業後は実業団に入ってマラソンをやります。実業団ではトップにいたいので、そのために青学に入ったのもありますし、この4年間をどう使うかですね。来年か再来年には東京マラソンを考えていますし、一色(恭志)さん、下田さんと、いいお手本がいるので先輩のやり方を見ながらプランを考えていきたいです。

 現役時は走りに集中して、引退したらスポーツカーに乗りたいですね(笑)。自分は古いランサーエボリューションが好きなのでマフラーとウイングつけて改造して走りたいんです。それまでYouTubeで『湾岸ミッドナイト』を見て我慢します(笑)」

 夏季選抜合宿の途中で腹痛を起こし、練習メニューが軽減され、「何やってとんやぁ」と原監督に苦言を呈された。だが、翌日には復活し、フルで練習をこなした。根性と"自分がやらないといけない"という自覚もある。他の1年生の目標になっている鈴木が16年組を引っ張っていけば、下田ら現3年生に匹敵する強力な世代になる可能性がある。鈴木はそういうイメージをしっかり持って、プランニングしているはずだ。

 御嶽の夏季選抜合宿には、1年生では彼ら2人以外にも中根滉稀と花田凌一も参加していた。上級生は下からの突き上げに、うかうかしていられないだろう。元気な1年生は先輩たちの大きな刺激、いや脅威になっている。


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