2016.06.14

なんと86年ぶりの五輪2名出場へ。陸上10種競技の魅力は「連帯感」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yuya Nagase/PHOTO KISHIMOTO

日本選手権でリオ五輪内定を決めた中村明彦 6月12日の陸上日本選手権混成競技会2日目。10種競技8種目の棒高跳びで、4m90を一発で跳んだ中村明彦(スズキ浜松AC)は思い切り右手を突き上げた。その高さは自己タイ記録だが、残りのやり投げと1500mを残した時点で自己最高点を94点も上回っていた。アクシデントが起きる可能性が最も高い棒高跳びを乗り越えたことで、リオデジャネイロ五輪参加標準記録の8100点超えへと大きく前進した瞬間だった。

 2日間で100m、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400m、110mハードル、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、1500mの10種目を行ない、種目ごとに設定された得点の合計で順位を争う10種競技。どの種目も満遍なく結果を残さなければ勝者にはなれない。特にヨーロッパでは盛んで、その勝者は”キング・オブ・アスリート”と讃えられる。通常はほかの種目と同じ大会で行なわれるが、日本選手権が3日間開催になった2010年からは女子7種競技とともに、混成は単独で日本選手権が開催されている。

 今大会は4月の日本選抜和歌山大会で、自己セカンドベストの8160点を出してすでにリオ五輪参加標準を突破していた右代啓祐(うしろけいすけ・スズキ浜松AC)が最初の100m出場後に棄権。1週間前の棒高跳びの練習でポールが折れて、左手親指骨折と左膝裂傷のケガをした影響からだった。その結果、大会の注目は中村の標準記録突破に集まった。