なんと86年ぶりの五輪2名出場へ。陸上10種競技の魅力は「連帯感」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yuya Nagase/PHOTO KISHIMOTO

 中村も「去年の世界選手権は最後の1500mでは見せ場を作れたが、リオではもう1種目何かで見せ場を作りたい。国際舞台での8000点台をひとつの目標にしているので、リオではそれを実現したい」と意気込む。

 一方、今回は100mだけで棄権した右代だが、国内選考基準のひとつとなっている日本選手権出場をクリアしたうえ、選考競技会のひとつである選抜和歌山大会で優勝しているため、代表に選ばれる可能性は高い。左親指の骨折はボルト3本とプレートで固定している状態だが、ドクターには「1カ月で思い切り力を入れても痛みは出なくなる」と言われているという。その右代も中村と共に代表になれば、五輪の10種競技2名出場は、実に1928年アムステルダム大会以来86年ぶりの快挙となる。

「100mを例えにとれば、ウォーミングアップをして競技場に入り、10秒走ったらそれで『お疲れさま』となるが、10種は2日間全選手が同じ場所でアップをして同じピットで試合をするから、最初のうちはぎこちなくても、徐々にみんなで手拍子をして応援し合うようになる。そういう流れで他の選手に影響されていいパフォーマンスもでき、最後の1500mを走り終えたときには、みんなでやり切ったという連帯感も生まれるのが魅力。中・高時代は混成競技をやっていて単種目になって活躍する選手も多くいるので、そういう楽しさや魅力、可能性を子供たちに伝えられたらとも思う」

 こう話す中村の夢が実現する第一歩が、代表2名で戦うリオ五輪になるはずだ。

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