2016.04.19

リオ五輪金メダル有力種目。50km競歩・谷井孝行が描くVロード

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 4月17日に石川県輪島市で開催された、日本選手権50km競歩。昨年の世界選手権銅メダル獲得でリオデジャネイロ五輪代表内定を手にしている谷井孝行(自衛隊)にとっては、「最終的にはリオへ向けたレースでもあるので、昨年の世界選手権が終わった時から今回に限っては特別ここにピークを合わせることなく、8割程度の力で出場すると決めていた」という大会だった。

リオ五輪代表に決まった(左から)荒井広宙、谷井孝行、森岡紘一朗 昨年10月の全日本競歩高畠大会で派遣標準突破して優勝した森岡紘一朗(富士通)が2人目の代表内定を決めていて、残り1枠を争う重要な大会。谷井は8割程度と言いながらも、リオ五輪本番で優勝争いをするために日本記録の3時間40分12秒を大きく上回る、3時間38分台の記録を狙っていた。それは、昨年のこの大会で3時間42分01秒の世界ランキング3位の記録を出していたにも関わらず、8月の世界選手権で、前半から飛び出して優勝したマテイ・トート(スロバキア)につく勇気が持てなかった反省からでもあった。

 ところがレース当日は前日の穏やかな晴天から一変し、雨だけではなく強風も吹き荒れる天候になってしまった。そんな中で谷井は目標を3時間41分台に変更し、最初からひとり飛び出すレース展開で36kmまではほぼ予定通りの歩きをした。