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リオ五輪マラソン代表決定。日本が「まさかのメダル」を獲る戦略 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Sho Tamura/AFLO SPORT

 しかし、リオ五輪で世界と戦えるかとなると、男女ともまだまだ厳しい状況だ。ペースメーカーがいない世界大会のマラソンは男女とも、暑い夏であることもあって前半はスローペースで進むことがほとんど。特に男子はその間も細かな揺さぶり合いで、体力を消耗させられ、30km過ぎからは強烈なスパート合戦になる展開が予想される。その中で、2時間8分~9分台がベスト記録である日本勢は、まだまだ力不足だろう。これまでも30kmからのスピードが劣り、対応できないというレースがほとんどだからだ。

 優勝を争うためには、終盤に粘りを見せる走りが必要になる。あえて可能性を探るとすれば、まだマラソン経験は3回目ながら、2時間12分台で昨年の延岡西日本マラソンとシドニーマラソンを優勝し、今年3月のびわ湖でも日本人トップの2位と安定している北島が、まだ底を見せていないという意味でも期待できるひとりだろう。

 また、石川も自己ベストは13年びわ湖の2時間09分10秒だが、初マラソンだった12年の同大会を2時間11分13秒で走って以来、大外しのレースがない。13年以降の自身3回目から6回目のマラソンでは2時間10分台が1度で、ほかは2時間09分台と安定しているという強みがあり、入賞ラインに食い込む可能性は持っているだろう。あとは本番にどこまでピークを合わせられるかがカギになる。

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