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リオ五輪マラソン代表決定。日本が「まさかのメダル」を獲る戦略 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Sho Tamura/AFLO SPORT

 女子は、昨年の世界ランキングで比較すると、福士の記録が10位相当で、田中は16位相当となっている。女子の場合も、名古屋で優勝したユニスジェプキルイ・キルワ(バーレーン)が、ペースメーカーがいなくなった30km以降を16分24秒、16分46秒に上げて逃げ切ったように、トップ選手は後半の強さが際立っている。

 第一生命の山下佐知子監督は「現時点の安定感を考えれば、名古屋を連覇して14年アジア大会でも優勝しているキルワと、14年、15年ニューヨークシティマラソンを連覇して今季のアボット・ワールドマラソンメジャーズの優勝者になったメアリー・ケイタニー(ケニア)が双璧だと思うから、あそこでキルワについていけるようだったら十分に世界とも戦える」と語る。

 教え子の田中の名古屋での走りについては、30kmからの5kmを16分37秒にして粘りながらも、そこからの5kmでそのスピードを維持できずに17分16秒まで落としていたことを残念がっていた。この課題をクリアできるようになれば、厳しいとはいえメダル争いに加わることができるようにもなる。

 また、大阪でやっとマラソンへの大きな手応えをつかんだ福士の場合は、10000m30分51秒81のスピードを持っているだけに、体力や精神力の消耗を少なくして走れるかによって前半のスローペースを走ることができれば、終盤のスパート合戦に対応できる可能性が見えてくる。男子に比べれば、まだメダルのチャンスはわずかながらも見える状況だ。

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