2016.03.14

【マラソン】名古屋の激闘を制した田中智美と山下監督の二人三脚

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 スタート時の気温は10℃、レース中も9~12℃で、風も弱い好条件に恵まれた3月13日の名古屋ウィメンズマラソン。

小原怜との勝負を1秒差で制し、リオ五輪をほぼ手中に収めた田中智美「30kmまでのペースは昨年より遅かったが、優勝できたことには満足している。昨年はペースメーカーがコンスタントなペースで走ってくれたが、今年は1kmごとにペースが速かったり遅かったりしたことも影響したのでコースレコードを出せなかった」と言うユニスジェプキルイ・キルワ(バーレーン)が、2時間22分40秒で連覇を果たした。

 そのレースをよりスリリングなものにしたのは、田中智美(第一生命)と小原怜(天満屋)の、熾烈なリオデジャネイロ五輪代表争いだった。

 田中は14年横浜国際女子マラソンで優勝しながらも、レース内容とタイムが評価されずに15年世界選手権代表には選ばれなかった。そして小原は初マラソンだった昨年のこの大会で、15km過ぎの給水付近で転倒して124位と惨敗した過去を持ち、その悔しさを晴らすためのレースでもあった。

 リオ五輪代表争いは、昨年11月の埼玉国際マラソンで2位の吉田香織(ランナーズパルス)が出した2時間28分43秒と、今年1月の大阪国際女子マラソン2位・堀江美里(ノーリツ)の2時間28分20秒を上回っての日本人1位なら当選の可能性はあった。だが、ふたりはタイム的にそんな凡レースをする気はなかったという。