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【箱根駅伝】優勝候補の青学大、勝負のカギを握る5区の走り (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 こう語る原晋監督は、「3冠を狙ってはいたが、全日本で負けたのはよかった」と続けた。

「全日本の時はポワンとした雰囲気もあったと思うんです。たぶんアンカーの神野がやってくれるだろう、というムードがチーム内にあった。そこで負けたことで、選手たちに『他大学も一生懸命やっているのだから、そう簡単に勝たせてはくれない。現状に甘んじることなく常にチャレンジしていないといけない』という意識に変わったと思います」

 そして練習ができない間も、毎日夜9時過ぎには寮のロビーで黙々とコアトレーニングとストレッチからなる"青トレ"を行ない、他の選手たちに努力する姿を見せ続けていたという神野は、「平地には自信はないが、山なら自信がある。1時間20分を目標にする」と言うまでに回復。5区起用のめどが立った。

「山は特殊だから、スタート地点につきさえすれば、神野は1時間20分前後で走って区間賞争いに加われると思います。5000m14分の記録の選手でも、5区を1時間16分で走るのは簡単なことではない。一方5000m16分の選手でも、適性があってある程度作り上げることができれば、1時間20分で走らせることができる。それが5区の特殊性で、走力より適性が必要なんです。その点で神野は適性が抜群。100%の状態で練習を積んで走ったら、それこそ化け物のような記録を出すと思います」(原監督)

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