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競歩・鈴木雄介「リオ五輪までは、もう記録も優勝も狙わない」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 結果的には、レースの1週間前くらいから痛み止めを飲み始めれば良かったのでは、という考えもあるが、練習をしたい気持ちが強かったために服用をした。そのあたりのコントロールがうまくいかなかったと反省する鈴木だが、故障を隠す気持ちはなかった。

 公表されたのは出発直前だったが、7月からの取材では常に痛みがあることを口にしていた。レース後に「実は......」と明かすのは、観戦してくれる人に申し訳ないと考え、現状を知った上で観戦してほしいと思ったから公表したという。

「8月になって集中力を欠いてしまったことも、今回の結果の大きな要因ですね。治療時間が多くなり、常にケガを意識してストレスが溜まったし、他の選手と一緒に合宿をしているのに近寄り難い雰囲気をつくり出してしまっていて。僕は適度に遊びを入れなければ集中力を保てないタイプなのに、ビリヤードも一回しか行けなかったし、みんなとバスケットボールをやりたくても治療を受けてる手前、『バスケやってきます』とも言えなくて(笑)」

 一方、そんな状況でも世界記録保持者という肩書きは、プレッシャーにならなかったという。記録はあくまで数字でしかなく、世界大会のメダルとは価値が違うものだと考えているからだ。

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