【箱根駅伝】山に自信の早大が優勝するための条件

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 長田洋平/アフロスポーツ●写真

 そして3区には、前回区間5位の武田が10月の早大長距離競技会で復帰、1万mで29分12秒72を出し、起用できる目処がたってきた。さらに渡辺監督が重要視しているという4区には、日本インカレ5000m7位の光延誠(1年)や、前回区間2位だった平などを起用できれば、たとえ駒大や東洋大などに先行されても、その差は最小限に抑えられそうだ。そこまでくれば5区の山本と6区の三浦で勝負できる形になる。

 渡辺監督がそんな目論見を持つのも、今年の早大は復路にも豊富な人材を擁しているからだ。9区に使いたいという井戸は、前回は8区で区間9位だったが、今年は1万mで初の28分台となる28分58秒83を出し、11月の全日本でも6区で区間3位と好走。ハーフマラソンも1時間02分33秒の記録を持っている。

 加えて13年は10区区間4位、前回は9区区間7位だった田口大貴(4年)も、今年は5000m13分48秒50、1万m28分56秒70と大幅に自己ベストを更新しており、スピード的には往路で起用されてもおかしくないほどに成長した。また前回10区で区間10位に止まった中村信一郎(3年)は、全日本の3区では区間15位と失速したが、今年は5000mを14分06秒08に伸ばした上、1万mでも28分56秒00と大台を突破。11月の上尾シティーハーフでは1時間02分30秒の自己記録を出して4位になるなど、調子を上げてきている。

 3大駅伝初出場となった11月の全日本では7区で区間12位に終わった佐藤淳(2年)も、上尾シティーハーフでは1時間02分49秒で8位となっており、メンバー入りに大きく前進している。その佐藤も含めれば、すべての区間がハーフマラソン1時間02分台の選手となり、駒大にも引けをとらない布陣になってくる。

 それに続く選手としては、渡辺監督が「ロードタイプで面白い選手」と評価している安井雄一(1年)がおり、上尾でも1時間03分30秒とまずまずの走りを見せている。

 大エースこそいないが、箱根経験者が9名いて粒揃いの早大。全日本大学駅伝7位転落で生まれた選手たちの危機感と、渡辺監督の最後の指揮になるという一体感が相乗効果を発揮すれば、4年ぶりの箱根制覇の道が開けてくる。

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