【箱根駅伝】今年は挑戦者。前回覇者・東洋大の布陣は? (3ページ目)
エースの勇馬には、1年の時に全日本の8区に起用して当時の駒大のエース・窪田忍と走らせる経験をさせた。前回2区に起用したのも、設楽兄弟が抜けたあとを想定した英才教育だった。その勇馬は、来年2月の東京マラソン出場も視野に入れて、今年2月の熊日30キロロードレーを走り、設楽啓太が前年に出していた日本学生記録を塗り替える1時間28分52秒を出している。そのタイムは瀬古利彦氏が87年に出した自己最高記録と同じものだ。彼が2区を、学生長距離界のエースという立場を自覚して1時間07分10秒くらいでは走ることが、東洋大の優勝への最低条件となる。
それをアシストする1区は、他校がスピードランナーを起用することを前提にすれば、「弾馬か、調子が上がってきた1万m28分台を持つ4年生」と酒井監督は言う。
最も安定しているのは、1区で13年に区間賞を獲得して前回も3位になり、今年は関東インカレハーフマラソンで2位になっている田口雅也(4年)だろう。ライバルに大差をつけてトップで来るというタイプではないが、相手が強くても僅差で抑える力を持っている。その上で勇馬を駒大の村山などと勝負させたい、という腹だ。
3区、4区でもミスをして遅れるわけにはいかない。3区には全日本で3区を走り、11月の上尾シティーハーフでは1時間02分53秒の自己新で9位になっている櫻岡駿(2年)を入れるという手もあるが、ここはスピードも重要になる区間。3区には上尾で1時間02分31秒を出して5位になっている弾馬を入れて、4区に前回区間3位の今井憲久(4年)という1万m28分台のランナーを入れた方が安全だ。先頭集団に食らいついて5区に入るという作戦をとってくるだろう。
その流れを復路まで維持して、櫻岡には7区で積極的な走りをさせれば、その後の8区、9区にもつながる。それが最もオーソドックスな配置と言えるだろう。
期待されていた1年生の竹下和輝はエントリー入りしなかったが、他にも上尾で1時間03分12秒を出した寺内将人(3年)、1時間03分17秒の小早川健(1年)、1時間03分32秒の渡邉一磨(3年)、1時間03分37秒の長谷川直輝(3年)がおり、層は厚い。1区の流れとエース服部勇馬の走り次第で、優勝争いに加わってくるはずだ。
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