【箱根駅伝】層の厚さでは随一の東洋大。注目の5区を走るのは誰か?

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

注目大学はどう戦うか(3)

 チーム上位10名の1万mの平均タイムは出場校トップの28分37秒85。27分台の設楽啓太・悠太兄弟(ともに4年)をはじめ、28分台の選手が6人いる上に、29分10秒を切る選手も3人いるという層の厚さを誇る東洋大学。距離が短い出雲駅伝(10月)や全日本大学駅伝(11月)でももちろん優勝候補で、選手たちの意識も高かった。その夢を打ち砕いたのは、駒澤大学の、1区にエースのひとりである中村匠吾を配して逃げきりを図った大胆な作戦だった。先手を取られた東洋大は、結局、出雲と全日本でともに駒大に次ぐ2位という結果に終わった。

前回は2区を走った東洋大のエース、設楽啓太。果たして5区に回る可能性はあるのか前回は2区を走った東洋大のエース、設楽啓太。果たして5区に回る可能性はあるのか 東洋大の酒井俊幸監督は語る。

「駒大の大八木(弘明)監督にとっても、3冠挑戦というのは初めてだから、周囲からいろいろなプレッシャーがかかってきていると思います。それを打ち破って先手を取るレースをするためにも、箱根も1区は中村で来ると思いますね。他の選手の起用を考えているなら、出雲か全日本で試していたはずですから」

 箱根でも駒大が逃げ切りを図るとすると、選手層の厚さでは随一という東洋大はふたつの敵と戦わなければいけなくなる。

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