【箱根駅伝】層の厚さでは随一の東洋大。注目の5区を走るのは誰か? (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 人材が豊富な東洋大だが、酒井監督は「復路にも主力をひとり置きたい」と贅沢な構想を持つ。だとすれば問題は1区だ。前回1区区間賞で、出雲でも1区を走った主力のひとり、田口雅也(3年)がいる。だが全日本では、1区に設楽兄弟の弟・悠太を起用した。駒大の中村を想定して、並んでいけるようにと考えたためだろう。

 結果的に設楽悠太は中村の一発の仕掛けで突き放されて31秒差を付けられた。しかし悠太も体調が万全なら、負けたとしてももっと僅差で抑えられるはずだ。それで啓太につなげば、実力的には駒大とともに飛び出すことは可能。

 そのあとの3区候補には田口か2年生エースの服部勇馬がいる。そして前回失速した4区に5000m13分台の記録を持つ勇馬の弟、服部弾馬(1年)を起用できれば、田口か勇馬のどちらかを復路に回せ、そちらでも勝負できる状況を作れるようになる、というわけだ。

 層の厚さを誇る東洋大にとっての最大の課題は、やはり5区を1時間20分台前半で走れるような選手を置けるかどうかだ。

 前回、東洋大は“脱・柏原竜二”を掲げ、5区に“山の神”がいなくても勝てることを証明しようとした。結果的にはその5区で服部に敗れて2位に終わった。そろそろ万年2位は卒業して、総合力の高さを勝利に結びつけたいところ。それを実現できる力は持っているだけに、その力を発揮できるかどうかが見どころになる。

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