【箱根駅伝】連覇を狙う日体大。勝負は5区・服部にどうタスキをつなぐか

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

注目大学はどう戦うか(2)

 秋の駅伝シーズンに入ってからは、選手に勝利を意識させすぎないように「負けない駅伝をしよう」と話していた前回王者・日本体育大学の別府健至監督がその方針を変えたのは、全日本大学駅伝(11月3日)が終わってからだった。全日本では1区が10位スタート。4区の服部翔大(4年)が、順位を駒澤大学と東洋大学に次ぐ3位に上げたものの、最終8区の矢野圭吾(4年)が区間18位とブレーキになり8位に。来年のシード権も取れずに終わったのが理由だった。

山道を駆け上がる日体大のエース服部翔大。5区は最大の強みになる山道を駆け上がる日体大のエース服部翔大。5区は最大の強みになる 別府健至監督はこう語る。

「主力が残っているから、箱根は勝てるだろう、と思っている節があるなと感じたんです。勘違いしているなと思い、全日本が終わってからは『もう一度勝ちたいと思え』と言うようにしたんです。前回、うちは8ある力を8出しただけで、東洋大と駒大は10ある力を7しか出せなかったし、9ある力を6しか出せなかったチームもあった。だから勝てただけ。今回は、8の力を9に上げて9を出す、10に上げて10を出すようにしなければいけない。出雲も全日本も勝てなかったから、『もう一度チャレンジする。勝ちたいという強い気持を全員が持ってやらなければ勝てない』と話したんです」

 日体大の最大の強味はもちろん山上りの5区だ。前回、1時間20分35秒で区間賞を獲得した服部を、他校の監督は「条件がよければ1時間18分台で走る」と警戒している。そのアドバンテージを生かすのが勝つための絶対条件だ。

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