車いすラグビー日本代表が世界選手権で3位。次世代エース・橋本勝也が経験した葛藤と覚悟 (2ページ目)
今大会の悔しさが糧になる
また、2連覇に向けて重要な試合になる準々決勝のニュージーランド戦ではサードラインで起用されたものの、パワーに勝る相手の動きに押され、ギアを上げるのに時間がかかった。続く準決勝のアメリカ戦では、追いかける展開から後半に投入されたものの、逆転はできなかった。
アメリカ戦のあと、橋本はこう絞り出した。
「正直に言えば、もうちょっと出してほしいという気持ちはあります。でも、やはり負けられない試合において、自分はまだまだ足りないということです。多彩なラインナップが使える今の日本チームの強みに、自分がどれだけ入っていけるか。今大会はそれがカギになると思って挑んでいたので、自分自身にいら立ちがあります」。
出場機会が多くないのは、対戦相手との相性やラインナップの組み合わせによるものだと理解している。問題は、出場した場面で自分のパフォーマンスが発揮できなかったことだ。ただ、まだ若い彼にとって、よかったことも、反省点も、経験したすべてが成長の糧となる。
「たしかに、以前と比べると自分のゲームIQが上がったとは思います。それは、日本のすばらしいハイポインター3人のもとで練習できているから。もっともっと、成長したいです」と話し、橋本は視線を上げた。
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