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車いすラグビー日本代表が世界選手権で3位。次世代エース・橋本勝也が経験した葛藤と覚悟 (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

ヘッドコーチも仲間も期待

 橋本の進化に期待するオアーヘッドコーチは、こう語る。「カツヤはスピードがあって賢い選手。パスの範囲、オフェンスとディフェンスの理解力の向上を感じるし、チームをより勢いづける可能性がある。まだ他のハイポインターと比べると経験が足りないが、パリを見据えれば、カツヤの重要性、必要性は非常に高くなる。将来のスーパースターだと思っている」

 日本代表の大黒柱で所属先の先輩である池も、橋本について大会前にこう話していた。

「会うたびに競技面も精神面も伸びていると感じます。ただ逆に言うと、今まで何をしてたんだ、と。甘い部分があるなというのは、彼が代表に入った頃から思っていました。たくさん挑戦して、失敗してということを繰り返してほしいです。彼は一度の失敗から何かを学んで成長するタイプなので、こういう(右肩上がりの)成長曲線が続けば、パリの時には本当に楽しみな選手になっていると思いますよ」

 指揮官も、チームメイトも、橋本を厳しくも温かい目で見守っている。世界選手権は悔しさも含め、さまざまな気づきを与えてくれた。それを原動力にどんな飛躍をしていくのか。20歳の覚悟とこれからの挑戦が、日本代表の明るい未来を握っている。

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