新競技パラバドミントンでメダルラッシュ! 里見紗李奈が単複二冠で初代女王に (2ページ目)
里見は競技最終日の5日には、山崎悠麻(NTT都市開発)と組む女子ダブルスでも中国ペアとのフルゲームの試合を制して、金メダルを獲得。二冠を達成した。「シングルスで優勝したのもあって、さらに強い気持ちで臨めた。2種目で初代女王を目標にしてきたから、自信になる」と笑顔をのぞかせた。
また、山崎も障害が重く狙われる里見を積極的にカバー。ラウンドショットで身体をのけぞらせて返球したあと、車いすをすばやく一回転させてフォーメーションを立て直すスーパープレーを披露。練習では「サイクロン」と名づけたこの技で、ぐっと流れを引き寄せた。
女子WH2シングルスで銅メダルだった山崎は、「表彰台の真ん中に立てたことがうれしい」と、金メダルを触りながら優勝の喜びをかみしめた。
男子車いすWH2シングルスは、19歳の梶原大暉(日体大)が決勝の舞台で強心臓を見せた。対戦相手は世界ランク1位でトップに君臨し続けるキム・ジョンジュン(韓国)。一度も勝ったことがない強敵を前に、梶原は「僕はチャレンジャー。失うものは何もないし、楽しもう」と決め、序盤から食らいついていった。
第1ゲームは梶原が最大7点差をつけてリードするが、中盤から試合巧者のキムにラリーに持ち込まれ、ミスを誘われ7連続失点で逆転を許す。しかし、梶原は焦ることなく絶妙なコントロールショットでキムを揺さぶり、最後は梶原が21-18で先取した。第2ゲームも手に汗握る駆け引きが展開され、一進一退の攻防が続くが、粘る相手を振り切り21-19で勝利した。
動きにスピードのあるキムの動画を観て、彼のチェアワークに注目していたという梶原。シャトルを打った後に手で車いすのタイヤを持つ速さが断トツだったといい、見習ってチェアワークを磨いてきた。決勝ではその成果が十分に発揮され、金星につながった。
男子ダブルスでは村山浩(WH1/SMBCグリーンサービス)とペアを組み、攻める姿勢を貫いて銅メダルを獲得。梶原は「パリではダブルスでも金メダルを獲りたい。シングルスは二連覇を目指す」と力強く話した。
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