2020.10.06

大谷桃子、全米で感じたトップ選手の誇り
「窮地になっても自分を疑わない」

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Getty Images

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 車いすテニスの大谷桃子(かんぽ生命保険)が、秋開催となった今年の全仏オープンに出場する。大谷は9月の全米オープンに続き、2度目のグランドスラム。10月7日から車いすの部がスタートするのを前に、「全米オープンの経験を活かして、勝利を目指したい」と、意気込みを語る。

初めての全米オープンで上地結衣と対戦した大谷桃子 新型コロナウイルス感染拡大の影響でテニスツアーは約5カ月にわたって中断。大谷も自粛生活を経験し、今シーズン初の実戦となったのが全米オープンだった。

 初出場の全米オープンでは、シングルス1回戦で世界ランク2位の上地結衣(三井住友銀行)との日本人対決に挑み、ストレートで敗れた。その一方で、課題や発見を含めて、多くの収穫を得た。"憧れの舞台"に立った興奮と緊張から気持ちを抑えられず、第1セットは自分のプレーができなかった、と振り返る大谷だが、第2セットは落ち着きを取り戻し、ゲームカウント2-4から粘ってタイブレークまで持ち込むことができた。結局、要所で上地の鋭いショットに押し込まれたが、イメージ通りの速い展開に持っていくことができたのは、ひとつの手ごたえだったと語る。

 そして何より、グランドスラム常連のライバルたちから、第一線であり続けるための戦術やメンタルを間近で学ぶことができた。とくに、世界を主戦場に戦う上地や男子の国枝慎吾(ユニクロ)のトップ選手たる矜持をビリビリと感じた。「上地選手のシングルス決勝のあと、男子の国枝選手の優勝した試合も観戦しました。上地選手も国枝選手も、途中で相手のペースになっても自分のプレーを見失わず、できることを探していた。窮地に追い込まれても、『自分を疑わない』というメンタルの強さがあって、そこが私には足りないんだなと感じました」