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ゴールボール・浦田理恵が
代表落ちから新境地「自分を試すチャンス」 (3ページ目)

  • 星野恭子●文 text by Hoshino Kyoko
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

 そんな風に前向きになったところで叶った、ジャパンパラへの出場。「自分を試すチャンス。きっともっとやれる」と、ポジティブなメンタルで新境地を切り開いた。

 ジャパンパラから2カ月後には2019年の大一番と位置付けたアジアパシフィック選手権大会が千葉市で開かれた。元々のジャパンパラ正代表6人が、そのまま起用されることに決まっていたので、浦田には国際公式戦をコート外から客観的に見る貴重な機会となった。実際のプレーは見えないが、ボールの音や選手の声などから、「日本は強くなっている」と頼もしく感じていたという。チームは目標通り大会3連覇も果たした。

 なかでも浦田が心強く思ったのは、自身に代わってセンターに抜擢された高橋利恵子(筑波大学)のプレーだった。代表センターという重圧をものともせず、高橋は伸び伸びと躍動し、全7試合を自責点ゼロで守り切った。

 浦田は、高橋のプレーを「本能で動く」と表現する。多少、守備姿勢が崩れても、「ゴールだけは絶対許さない」と、とにかくボールを前方に弾いたりコート外に押し出した。浦田がこだわってきた「きれいに止める守備」とは異なるが、「あれでも、いいんだよね」と気づいた。失点しないことがセンターの最大の役割だからだ。

 高橋はまた、大会序盤こそ遠慮がちに見えたが、1試合ごとに自信をまとい、大きな成長を見せた。そんな様子を以前なら脅威に感じたかもしれないが、今は「チームとしての成長」を重視する浦田にとって、「将来が楽しみなライバル」と評価する。だからこそ、「私もまだ負けない」と刺激を受け、厳しいトレーニングへの意欲にも繋がっている。

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