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車いすラグビー日本代表、倉橋香衣。
女性だからの注目に「正直悔しい」 (2ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 3年生になったばかりの大会で決勝直前の公式練習中、ほんの少しタイミングがズレてしまい、頭から落下。首の骨が折れ頚髄を損傷する大ケガで、胸から下にまひが残った。動くのは腕と肩から上だけ、握力もほとんどなくなったが、周囲の心配をよそに、「やってもうた、とは思ったけど、ドンって落ち込むことはありませんでした」と振り返る。

 一日も早く復学し、友だちとまた楽しい時間を過ごしたくて、とにかくリハビリに励んだ。ベッドで上半身を起こすことから始まり、少しずつできることが増えていくのが楽しかった。

 車いすラグビーに出会ったのは、リハビリも終盤に入った頃。自立生活訓練を受けたセンターで誘われ、見学して驚いた。

「えっ? 車いすでぶつかっても、いいの?」

 車いす生活になって以来、「気をつけて」「危ないよ」と言われ、車いすの乗車には自ずと慎重になった。でも、ラグビーでは衝突も転倒も当たり前。我慢する必要はない。その「非日常感」に一瞬で心を奪われた。

 日本代表も多数所属する強豪チームのBLITZ(ブリッツ)に入り、初挑戦のラグビーと向き合った。技術や戦術を教わり、頭の中でイメージしたプレーを実戦の中で試す。

「なるほど、こういうことか~」

「できた!」

 手ごたえを一つひとつ積み重ね、少しずつ自信に変わっていく毎日が楽しかった。

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